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【コラム】身寄りがない方の成年後見
成年後見等の申立てができる人は、民法上、本人、配偶者、4親等内の親族、検察官等と定められています。しかし、それらの人がいない場合どうしたらよいか。
そのような場合に、老人福祉法等では、65歳以上の者、知的障害者、精神障害者について、「その福祉を図るために特に必要があると認めるとき」市町村長が申立てをすることを認めています。しかし、全国的に市町村によって申立てを実際している件数にも差異があるのが現状で、今後、高齢化に伴い身寄りのない人の支援をどうするか市町村の役割が期待されているようです。
【コラム】相続財産になるもの
相続する財産というと、すぐ不動産、預貯金などを思い浮かぶことがあるかもしれませんが、故人が事故に遭い、負傷した後に死亡したときは、故人が持つ損害賠償請求権も相続人に承継されるとする裁判例もあります。即死の場合も同様とされています。また故人に生じた慰謝料請求権も相続されるとされています。
【コラム】遺言者の気持ちを残す
通常、遺言によってできる内容は、法律によって決められています。しかし、それら法的に決まっている事項の他に、遺言者の気持ちを相続人に伝えることができます。これを遺言の付言事項といいますが、どのような理由で、その子に財産を残したのか、この言葉があるかないかによって、遺留分が侵害されている相続人にとっても、争うことをやめ、「争族」を予防できる効果もあります。
【コラム】自分の老後の財産管理が心配
自分が身寄りもいないので、もし、将来、自分が認知症になったら、財産管理はどうすればいいのか心配の方もいるかもしません。
そのような場合、自分の判断能力が低下したときに、信頼している人(任意後見人)に代わって財産管理をしてもらう契約を生前に結ぶことができます。これを任意後見契約といいます。
自分が死んだ後の財産の処分よりも、むしろ自分が生きている間で、認知症等になった場合の財産管理をどのようにするかについて心配になることもあると思います。そのような場合に、任意後見制度を利用してはいかかでしょうか。
【コラム】相続放棄をしないまま相続人が亡くなった場合
たとえば、Aの相続について子Bが相続放棄をしないまま亡くなってしまった場合、そのBの子、孫であるCが相続放棄をする3か月の熟慮期間はいつから起算されるのか?
孫であるCがBの死亡により自己が相続人になったことを知った時からであって、Aの死亡を知っていたかを基準にするのではありません。
ただし、Aの相続は受けたいがBの相続は放棄することはできないので注意が必要です。BはAの相続する地位を受け継いでいるので、Bの相続について相続放棄をすると、Aの相続については当然に相続放棄したことになるのが理由です。
【コラム】3か月以内に相続財産調査ができない場合
相続が発生し、相続放棄をするかの判断は、相続開始があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄をするかの判断をされるのが通常です。
ただし、相続財産が複雑であったり、相続財産の場所が遠隔にある場合、3か月では把握が難しいことがあります。そのような場合、家庭裁判所に「相続の承認・放棄の期間伸長申立」をすれば、期間を伸長をしてもらえます。相続放棄の伸長期間は家庭裁判所の個々の事例により裁量で決定します。
当事務所の相談でも、相続人間でモメていて、その一人が全ての財産開示に協力してくれず相続放棄をしかねるので、とりあえず判明するまで期間を伸長した事例もよくあります。
3か月間で相続財産調査が終わらなくても、あきらめずに相続放棄の期間伸長を考えることをおすすめいたします。 →相続放棄について
【コラム】「争族」にならないための生命保険
生命保険は、相続人が被相続人の死亡により、生命保険金を受け取った場合、そのお金は受取人の固有の財産となり相続財産にならないため、相続対策として、活用方法が期待されています。
遺産分割紛争の75%は、相続財産が5000万円以下の世帯とされており、相続人間で分けにくい不動産の占める割合が多いとされています。そのような場合、遺産分割協議において、相続人の一人が不動産を取得する代わりに、他の相続人に払う代償金の原資にもすることができたり、葬儀費用や、相続税がかかる方は納税資金にすることができたりします。
「争族」対策には遺言などさまざまありますが、生命保険もその中の一つとして活用されています。
【コラム】不動産の名義を変更しておかないと
親が亡くなって、面倒だからといって不動産の名義(登記)をそのままに放置してしまっていることがよく見かけられます。遺産分割をしないでそのままにしておくと、相続人であるもう片方の親も認知症等になってしまうことも多く、家庭裁判所に成年後見人を選任しなければならなくなってしまいます。当事務所でもそのような相談が多いです。
さらに、その子もうちの一人が亡くなってしまったら、その配偶者や子まで遺産分割に登場しなければならず、話がまとまらず、お金での解決ということにもなってしまいます。
そうならないためにも、早めの不動産の名義変更(登記)をおすすめいたします。
【ブログ】成年後見制度と選挙権
成年後見制度を利用すると、本人の選挙権がなくなるという、公職選挙法の規定は違憲であるとして、東京地裁が選挙権を認める判決を下しました。
以前から、よく裁判になっていたもので、欧米では選挙権が認められている国が多いのが現状です。
日本の成年後見制度もそもそも、本人の自己決定権を尊重しつつ、財産管理に関してサポートする制度なので、自己決定権である選挙権がないのはいかがなものかという議論です。今回の裁判は、知的障がい者の方でしたが、意思能力が完全にない人など場合や、一律に選挙権を認めるのか等、今後の公職選挙法の動向に注目されそうです。
【コラム】予備的な遺言
遺言を残す者より先に、相続させたい人が亡くなってしまった場合どうなるのでしょうか?
原則として、効力は生じません。よって、相続人全員で遺産分割協議をしなければなりません。
しかし、相続させたい人が遺言者より先に死亡した場合には、財産は他の相続人に相続させるといった予備的な遺言を残すことが可能です。近年の最高裁判例でも、推定相続人が遺言者より先に亡くなった場合、代襲者その他の者に相続させる旨の意思を有していたと見るべき事情がない限りその遺言は効力を生じないとしています。
もし、配偶者や子、両親もいなく、歳の近い兄弟うちの一人に財産を残したい場合、このような遺言を残さないと、兄弟全員が遺産分割協議をすることになり、話しがまとまらない可能性があります。このようなときは、予備的な遺言を残すことを考えてみてはいかがでしょうか。
【コラム】重い心身障がい者を持つ親ができること
以前、信託のさまざまな利用のされ方を紹介しましたが、重度の身体障害者(特別障害者)の子を持つ親が、まとまったお金を信託銀行に預け、親が亡くなったあとに子の生活費のために、金銭を定期的に交付する特定贈与信託契約が認知されてきているようです。
全額が子の口座に入らないため、詐欺的な被害で、金銭を失う危険を避けることもできますし、6000万円まで贈与税が非課税になるメリットがあります。(だだし、一般の贈与と同じく、遺留分が侵害される場合、十分注意する必要があります。)
対象者は、特別障害者に限られていますが、今後、一般障害者の一部にも対象を拡大することも予定されて活用が広がっていくようです。
【コラム】婚外子の相続分について
婚姻関係にある男女で生まれた子を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といい、婚姻関係のない間に生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」といいます。
ただ、非嫡出子でも認知されないと法律上の子供(相続人)になりません。その認知された非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分と民法上で定められています。ただ、この相続分が差別されていることに対し、憲法の法の下の平等に反するとして、最高裁では今だ、違憲判決は出ていませんが、最近でも違憲判決が地裁・高裁レベルでは出ています。先進国の中でも相続分に格差があるのは日本だけと言われており、明治時代につくられた相続分の規定ですが、現代、事実婚が増えた中、民法も見直しの時期に来ているそうです。
※認知・・・婚外子について、父又は母との間に親子関係を生じさせる制度。①親が自ら認知する方法と、②子供(又はその子、孫)の訴えにより認知する方法があります。
【コラム】介護保険サービスの利用において
介護保険には様々なサービスがあります。たとえば、訪問して介護をしてくれたり、老人ホーム等の施設を利用できたり等…。これらのサービスを利用するには、市町村で要介護認定をしてもらい、その上で、事業者と利用者本人との間で契約を結びます。この契約も一般の取引契約と同じで、両者対等な状態で合意しなければなりません。しかし、介護保険サービスの契約は、一方は高齢者であり、あまり理解されていない状態で、契約が結ばれることが現状です。
こういった場合、判断能力はあるが、なかなか理解が難しい方や、契約内容を理解するには、不安である場合は、「日常生活自立支援事業」を利用することもできます。社会福祉協議会が窓口になって、介護、福祉サービスの利用援助をサポートしてくれます。しかし、認知症等で判断能力が不十分な方は、「成年後見制度」を利用すれば、後見人が本人に代わって契約をすることができ、不利益を受けなくて済みます。状況に応じて、これらの制度を利用することをおすすめいたします。
【コラム】後見制度支援信託って何?
後見と信託とは、どのような関係があるのかと思われるかもしれません。
ここ最近、親族後見人が被後見人(認知症等で見守れている人)の金銭を私的に利用してしまう事例が多発しているようです。
このような問題から、被後見人の日常的に使用しない多額の金銭を信託銀行を受託者として信託し、その中から必要な生活費だけを家庭裁判所の指示により交付するもので、平成24年2月1日から運用が開始されました。この後見制度支援信託制度は制度的に根拠法令はなく、家庭裁判所の運用に委ねられた制度であり、後見人の不正使用の対策として「一時的・代替的対策」としているようです。
ただ、問題点もあるようで、①被後見人の財産を信託するため、後見人になった人が、金銭を柔軟に使用できないのではないか。②多額の金銭を信託することにより、被後見人の身の回りの監護に必要な金銭が消極的になり、高齢者等の身の回りの世話を放置してしまうのではないか。という課題も残されているのも事実です。
何はともあれ、親族後見人の不正行為の実態がなくならない限り、他に後見の制度設計の見直しがされない限り、後見制度支援信託の導入に頼らざるを得ないのが現実のようです。
【コラム】民事信託とは
信託というと、金融商品を取り扱う、信託銀行を思い浮かべることがあるかもしれません。それが、平成18年法律改正により、利益を追求しないタイプの信託が行われるようになりました。それを「民事信託」と呼んでいます。
利用される例としては、通常、遺言では、自分の相続についてしか決めることができません。つまり、遺言により財産をあげたい子の先の相続についてまで、遺言で決めることができないと言われています。
それが、「民事信託」を利用することによって今後活用が期待されているようです。たとえば、不動産を代々、長男の家系に取得させたい場合、会社を設立して信託により不動産の所有権を移転させ、その不動産から出る賃料、収益などを、本人→本人死亡後は長男→長男死亡後はその息子などに利益を享受させることができます。(後継ぎ遺贈型信託)
民事信託を利用することにより、①相続発生後に不動産を指定した者に承継させることができる、②債権者は信託財産への強制執行が禁止されているため経営状況の悪化から不動産を守ることもできる、③税金(譲渡所得税等)の負担も軽減されるといわれていますので、今後の活用が期待されているようです。
【コラム】相続財産になるの?
親が亡くなり、相続人の間で遺産分割協議をするにあたり、相続財産を確定しなければなりません。
遺産分割協議で、仏像、仏壇などの祭具、墓石、遺骨、香典などもよく誰が相続するか争われることが多いですが、相続財産にはなりません。よって、相続放棄しても、これらを取得することはできることになります。
どのように決めるのかというと、①生前、被相続人の承継者の指定があれば、それに従い、②なければ、地域の慣習、③慣習がなければ、家庭裁判所の調停や審判によって決めます。
その他には、生命保険、遺族年金、死亡退職金についても受取人になっている人の固有の財産になるため、相続財産にならず遺産分割の対象になりません。
【コラム】相続税がかかる人が増える?
平成25年度の改正税制大綱が発表になり、改正案が成立すると、平成27年1月1日以降発生した相続について、相続税の基礎控除が、「3000万+600万×法定相続人の数」となり、相続税の基礎控除を4割縮減するとのことです。
たとえば、相続人が3人の場合、現在ですと、「5000万+1000万×法定相続人の数」なので、遺産が8000万円までは、相続税がかかりませんが、平成27年1月から、遺産が4800万円を超えると相続税がかかる計算となります。
【相続税の基礎控除額】
相続人の数 | 現 在 | H27.1.1以降 |
1人 | 6,000万円 |
3,600万円 |
2人 | 7,000万円 |
4,200万円 |
3人 | 8,000万円 |
4,800万円 |
4人 | 9,000万円 |
5,400万円 |
5人 | 1億円 |
6,000万円 |
改正案が成立したら、相続税を負担する方が増えてくる可能性があるとのことです。相続税対策のために、生前贈与の活用が増えていくことになりそうです。
【お知らせ】法テラス(民事法律扶助)契約司法書士です。
成年後見の申立て等裁判所に提出する書類に関して、貧困などで司法書士への費用が支払えない場合があると思います。そのような場合、一定の条件にあてはまれば、民事法律扶助である日本司法支援センター(法テラス)を利用することにより、これらの費用を立て替えてもらえます。(月々の分割払い等)さらに、生活保護を受給されている場合には、返還を免除または猶予されることがあります。当職は法テラス契約司法書士ですので、お気軽にご相談ください。
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